「いま決心したら後戻りはできない」

「大事なのはわかるけれど、まだ始めなくてもいいんじゃないか」

お客さまがYesと言えない理由には、このような感情があると言われています。これは、変化を嫌う人間の条件反射なのだそうです。あるトップ営業パーソンは言います。「お客さまに決断していただくことが、本当にお客さまのためになると自信があるなら、先延ばしてはいけません。条件反射の反応をがっちり受け止めつつも、決断をお手伝いしてさしあげることが大切です。そのためには、お客さま自身に納得していただき、それを自覚していただくための、様々なコミュニケーション方法があります」

ひとつは、「小さなYesを積み上げる」というアプローチです。

「大きな決断をドン!としていただくのではなく、途中で少しずつ立ち止まり、『~までで解らないことはありますか?』『~という点はご納得いただけましたか?』というように、確認していくことは、非常に有効です。その際も、お客さまに対して単にYes・Noを問うのでなく、お客さまが納得した内容を、自身の口で言っていただくと良いですね。お客さまがどこまでご納得されているかを、しっかり把握することができるのです」

そしてもうひとつは、「大事なことは相手に言っていただく」というアプローチです。

「人は自分が言った言葉に縛られます。営業パーソンが言ったからでなく、自分が言ったこととなると、結局は、自分が決めたこととして、満足度の高い買い物となります。たとえば、フィットネスクラブで入会を迷っている人に心を決めていただくやり取りで、次のような会話例が考えられますよね」

営業: ご入会を検討された理由は何ですか?

お客さま: 最近、健康診断の数値が悪くて、コレステロール値も上がってしまってね・・・。

営業:コレステロール値が高いのを気にされているんですね。

お客さま:うん。医者からも運動不足を指摘されているので、何とかしなきゃとは思っているけど・・・。

営業:それは何とかしたいですね。

お客さま:自分にできる運動したいけど、三日坊主なので、続けられるか心配で・・・。

営業:なるほど、ではどれくらいの頻度なら続けられそうですか?

お客さま:せいぜい週に1回、1時間くらいかな・・・。

営業: それならこの入門コースはいかがですか。

「いかがですか?お客さま自身が自分の意思を確認していっていることに気付かれると思います。このとき、『運動しなくてはなりませんね』などと、営業が誘導してはいけません。あくまで、お客さまの言葉をつなぎながら、お客さま自身が結論に至るように促すことがポイントなのです」

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